私的名盤 #1:キング・クリムゾン/レッド

こんにちは。ご無沙汰しております。明日、現代音楽系を中心にいくつか出品の予定です。

さて、これまでジャンルを問わずさまざまな音を聴いてきました。私の音楽の判断あるいは評価基準は単純で、何度も鑑賞に堪えられるか、その音楽が私をきっちりとぶっ飛ばしてくれるかどうかの2点。要するに向こう側へ行く手助けをしてくれるのか、何度でもそこまで連れて行ってくれるかどうかだけです。そうなると手持ちのかなりのものは要らないものになるのではないか。逆に言うと、絶対に残るものもあるということです。

私は死んだときにはCDあるいはレコードの類い(それに書籍)はひとつも手元に残っていないのが理想です。飽きっぽい性分ですが、音楽にだけは長いあいだ、興味を持って接しています。購って来た、所有しているアイテムもそれなりの数があり、ここ数年はその数を減らして行くことを常に考えています。手放し減らしていく中でも20年、30年とは言わない、少なくともあと10年は確実に手元に残してあると思われる私的「名盤」のことを書きます。それと、最近では長文を綴るのはNG のようですので、なるべく簡潔に短く書きます。

kcrimson_red

第1回目は — ずいぶん悩みました — キング・クリムゾンの『レッド』です。なんだフツーじゃないと思った方、貴方は正しい。知らない人がいないほどに有名で名盤の誉れ高い1974年の作品です。なので詳細は省きます。ニルヴァーナのカート・コバーンも人生の50枚(100枚?)のなかに数えていました。

子供でした。最初に買ったのは輸入盤LP。わからなかった。高校生になってやっとこれもしかしたらすごいのかも?と思うようになって、やっぱりすごいと納得したのはだいぶ経った三十路半ばあたり。出たばかりのリマスターCDを購入したことが大きい。手持ちのLPよりも素晴らしく音が良くなっていて、まるで別のもののようだった。繰り返し聴きました。聴きすぎてしまっているので今ではもう正しい評価も判断も下せませんが、聴くたびにいつもどこかちがうところへと誘ってくれる音楽であることに間違いありません。

レコーディング時はメンバーの関係がうまくいっておらず、そのバンド内の緊張状態がモロに音に反映されているなんて言われた、メタリックでダークなギターとどこまでも重いリズム隊からなる、字義通りならば、ヘヴィ・メタルと表現しても差し支えないほどに、論理的且つ冷徹な超重量の暗黒音楽。さきほど手を胸の上に置いてようく考えてみたのですが、自分の中ではけっこう重要な位置を占めていそうです。そしてもし、誰かがプログレの理想なんてものを私に訊いて来たら、これをその1枚として差し出そうと思います。

いわゆる「スクール・オブ・ロック」からアルバム最初と最後のナンバー。みな楽しそうに、でも真剣にプレイしていて微笑ましい。故ジョン・ウエットンも嬉しそう。

 

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